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2021/05/10 up

星の光に包まれて 

夜中なのに、やけに明るいな・・と思ったら、その日は見事な満月だった。

そんな幻想的な光の中にいても、現実では悪いことが続くものだ。
ここ数ヶ月、そんな負のスパイラルに飲み込まれている自分がいる。
毎日、必死にもがきながら、なんとかやりくりするも、なんだか悪あがきにしか思えない日々。
最近は朝が来るのが嫌で仕方がない。ずっしり重たい気持ちを抱えながら一日が始まる。

そう。その日も、現実のプレッシャーに押しつぶされながら、
満月の光に照らされた夜道をトボトボと歩いていたんだっけ。

急に携帯がなる。

「あ、もしもし?社長?これから打合せがあるんですが、いまから行けそうですか?」
「え、そうだっけ?スケジュールには入ってないぞ、っていうか、今からやんの?」
「えぇ、すみません、先方がどうしても・・っていうんで・・」
「うーん、しょうがねぇなぁ・・・」

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人はよく言うんだよ。
「仕事が忙しい・・ってことは、いいことじゃないですか!」

でも、忙しいとは、心を亡くす、って書くんだよ。
僕は、完全にそんな人になっていた。

悔しくて情けなくて、でも、誰にも頼れない。

でも、そんなことはお構いなしに、
満月の光は暴力的なまでに、あたりを青白く照らす。

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しかし、その眩しすぎる月を見て、僕はハッとしたんだ。

人は強い光にばかり注目しちゃうけど、
それはこの大きな世界での、ほんの一部でしかないんだ。

よく見てごらん、天空で優しく瞬いている星たちを。

「星の光」は、いつまでもいつまでも、
限りない優しい光を、僕たちに照らしてくれているじゃないか。

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そんな美しくも尊い名前をもつ彼女は、
無限に湧き出る優しさと、匂い立つエロスの癒やしで、
こんなダメな僕を一夜にして変えてくれたんだ。

心のあるまっすぐな瞳
豊満な胸にまとわりつく濡髪
握ると優しく握り返してくれる愛しい手
ふんわり全身を包み込んでくれる柔らかい体
冷え切った気持ちを一瞬にして溶かしてしまう唇

そして、溢れ出る泉に、僕は完全に溺れた。
それは、まさしく癒しの泉。
とても暖かくて湿り気を帯びた、究極のエロス。

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星の光に僕らは救われる。
そして、希望の明日につなげられる。
明日に希望があれば、それでいいんだ。

今夜も星が綺麗だな。
いつも僕らの頭上で、やさしく瞬いている。

星の光に包まれて、僕らは明日も生きて行く。

てお さん

体験日:2021年04月下旬